2024/06/18

外耳炎は、犬の外耳道に炎症が起こる状態を指します。これは犬に非常に一般的な疾患で、多くの犬が生涯のうちに一度は経験するとされています。外耳炎には急性と慢性の二種類があり、急性外耳炎は突然症状が現れ、慢性外耳炎はゆっくりと症状が進行します。
外耳炎の主な原因
アレルギー:アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどが原因で外耳炎を引き起こすことがあります。これらは犬の免疫系が過剰に反応することによって引き起こされます。
感染症:細菌や酵母(マラセチアなど)の感染が外耳炎の主な原因です。特に、湿った環境や耳の構造が原因で菌が繁殖しやすくなります。
寄生虫:耳ダニなどの寄生虫が耳に住みつくと、外耳炎を引き起こします。
異物:耳に異物が入った場合、炎症が起こることがあります。
ホルモン異常:甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が原因で外耳炎が発生することがあります。
外耳炎の症状
外耳炎の症状は以下のようなものがあります:
耳のかゆみ:犬が頻繁に耳を掻いたり、頭を振ったりする行動が見られます。
黒い耳垢:耳の中に黒っぽい耳垢がたまることがあります。
悪臭:耳から悪臭がすることがあります。
赤みと腫れ:耳の中が赤く腫れることがあります。
痛み:耳を触ると痛がることがあります。
自宅でできる外耳炎の治療とケア
軽度の外耳炎の場合、自宅で治療を試みることができますが、必ず獣医師の指導を仰ぐことが重要です。
耳の洗浄:専用の耳洗浄液を使用して耳の中を清潔に保つことが重要です。綿棒は使わず、柔らかい布やコットンを使って優しく拭き取ります。
抗菌・抗真菌薬:外耳炎が細菌や酵母によるものである場合、獣医師が処方する抗菌薬や抗真菌薬を使用します。
適切な環境管理:耳が湿りがちな場合は、ドライヤーなどで乾かすことも有効です。また、アレルゲンとなる物質を避けるようにします。
重症の場合の対処法
外耳炎が重症化すると、以下のような対応が必要です:
獣医師の診察:重症の場合はすぐに獣医師の診察を受けることが重要です。獣医師は耳の中を詳しく検査し、適切な治療法を提案します。
内服薬:必要に応じて、抗生物質やステロイドなどの内服薬が処方されることがあります。
耳洗浄の頻度を増やす:獣医師の指導の下で耳の洗浄を頻繁に行うことが求められます。
外耳炎を繰り返す場合の対策
外耳炎が繰り返す場合、根本的な原因を見つけることが重要です:
アレルギーの診断/治療:除去食試験や環境アレルギーの検査を行い、特定のアレルゲンを避ける生活を心がけます。
定期的な耳のチェック:獣医師による定期的な耳のチェックを受け、早期に対処することが大切です。
適切なシャンプー:アレルギー対応のシャンプーを使用することで、皮膚の状態を改善し、外耳炎の予防に役立ちます。
市販薬と治療の選択
市販薬を使用する際には、必ず獣医師に相談することが重要です。市販薬の中には、軽度の外耳炎に効果的なものもありますが、誤った使用は症状を悪化させる可能性があります。
外耳炎は犬から犬へうつる?
外耳炎そのものが犬から犬へ直接うつることはありません。ただし、耳ダニなどの寄生虫が原因の場合は、接触を通じて感染することがあります。
複数の犬を飼っている場合は、すべての犬の耳を定期的にチェックし、異常があれば早めに対処することが重要です。
まとめ
犬の外耳炎は非常に一般的な疾患ですが、適切な管理と治療を行うことで予防や改善が可能です。日常的な耳のケアを怠らず、異常が見られた場合は早期に獣医師に相談することが重要です。
愛犬の健康を守るためにも、定期的な耳のチェックと清潔な環境を心がけましょう。