2024/06/18
犬の皮膚糸状菌症（通称：真菌症）は、犬の皮膚に発生する感染症の一種で、特に湿気が多い季節に多く見られます。
この病気は、真菌というカビの一種が皮膚や被毛に感染することで引き起こされます。犬の健康に影響を及ぼすだけでなく、人間にも感染する可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。
この記事では、犬の皮膚糸状菌症に関する基本的な情報と対処法について詳しく説明します。
犬の皮膚糸状菌症とは？
皮膚糸状菌症は、特に「白癬菌」と呼ばれる真菌によって引き起こされます。感染は主に接触によって広がり、他の動物や汚染された環境からも感染することがあります。
湿気の多い環境や不衛生な生活条件は、真菌の繁殖を助長します。
犬の皮膚糸状菌症の症状
犬の皮膚糸状菌症の症状は、感染の程度や犬の免疫状態によって異なります。主な症状には以下のようなものがあります：
円形の脱毛斑: 最も一般的な症状で、皮膚が赤くなり、鱗屑が見られます。
かゆみと炎症: 感染部位を頻繁に掻くため、二次的な感染が発生することがあります。
被毛の折れやすさ: 感染部位の被毛が簡単に折れたり、抜けたりします。
これらの症状は、感染から2週間以内に現れることが多いです。また、症状が軽度であっても感染力が強いため、他の動物や人間に広がるリスクがあります。
犬の皮膚糸状菌症の原因
皮膚糸状菌症の主な原因は真菌の感染です。特に次のような状況で感染が発生しやすくなります：
湿気の多い環境: 湿度が高いと真菌の繁殖が活発になります。
不衛生な生活環境: 汚れた寝床や清潔に保たれていない被毛は感染リスクを高めます。
他の動物との接触: 感染した動物との接触が原因となることが多いです。
犬の皮膚糸状菌症の診断と検査
皮膚糸状菌症の診断には、獣医師による詳細な検査が必要です。一般的な検査方法には以下のものがあります：
ウッド灯検査: ウッド灯という紫外線ランプを使用して感染部位を照射し、真菌の存在を確認します。
培養検査: 感染部位から採取したサンプルを培養して、真菌の種類を特定します。
顕微鏡検査: 感染部位の皮膚や被毛を顕微鏡で観察し、真菌の存在を確認します。
犬の皮膚糸状菌症の治療と対処法
皮膚糸状菌症の治療には、抗真菌薬の使用が一般的です。治療法には以下のようなものがあります：
抗真菌シャンプー: 感染部位を洗浄し、真菌を除去するために使用します。週に2回から3回の頻度で使用することが推奨されます。
経口抗真菌薬: 真菌の全身感染を防ぐために、獣医師の処方に基づいて投与されます。
局所治療: 感染部位に直接塗布する抗真菌薬を使用します。これは特に軽度の感染に効果的です。
治療期間は感染の程度によりますが、通常4週間から6週間程度です。全ての治療法を適切に実施することで、ほとんどの犬は完全に回復します。
皮膚糸状菌症の予防と管理
感染を予防するためには、次のような管理が重要です：
定期的なシャンプーとグルーミング: 犬の被毛と皮膚を清潔に保つことが予防に繋がります。
環境の衛生管理: 犬が過ごす場所を清潔に保ち、湿気を避けることが重要です。
感染動物との隔離: 感染が疑われる動物とは接触を避け、必要に応じて隔離します。
犬の皮膚糸状菌症の人への感染リスク
皮膚糸状菌症は人間にも感染する可能性があります。特に免疫力が低下している人や子供、高齢者は感染リスクが高いため、感染した犬との接触には注意が必要です。人間の症状としては、犬と同様に円形の赤い斑点が現れ、かゆみを伴うことがあります。感染が疑われる場合は、速やかに医師の診察を受けることが推奨されます。
まとめ
犬の皮膚糸状菌症は適切な治療と予防によって管理可能な病気です。飼い主として、症状や原因を理解し、早期に対応することで、愛犬の健康を守ることができます。感染の兆候が見られた場合は、早めに獣医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
